任期満了に伴う南房総市長選は13日告示され、現職の石井裕氏(48)=2期、無所属=以外に立候補の届け出がなく、無投票で3選が決まった。石井氏は前回に続く無投票当選。行財政改革の推進や新市庁舎建設などに意欲を示した。
石井氏は昨年9月の定例議会で立候補の意思を表明。職員削減や公共施設の統廃合など行財政改革の取り組みや、7年後の地方交付税交付金の減額を控えて正念場を迎える財政健全化を訴えてきた。一方、選挙が近づいても対抗馬が現れる気配はなく、早いうちから3選確実とみられていた。
石井陣営は午前11時半から同市富浦町の富浦ロイヤルホテルで出陣式。浜田靖一衆議院議員や県議、近隣の市町長や支持者が応援に駆け付けた。
石井氏は「未来志向の中で創造的破壊をしていきたい。改革はまだまだ緩めるわけにはいかない。この4年間で加速させたい」と訴え、職員削減、各地域センターや老朽化施設の将来的な廃止と、白浜地区コミュニティーセンターや新市庁舎建設などを公約に掲げた。
終日市内各地を遊説して無投票当選が確定すると、同市千倉町の千倉漁村センターで支持者らと当選を祝った。石井氏は「無投票当選したが、市民からさまざまな批判があることも承知している。批判を真摯(しんし)に受け止めたい」と選挙を振り返った。
3期目での大きな建設事業として、新市庁舎、安房広域でのゴミ処理施設、南房総市と鋸南町の衛生センター、和田・丸山統合小学校に意欲を示し、「(事業費の総額は)100億円ではきかない。賛否あると思うが3期目を託された市長として政治生命をかけてやり抜く覚悟」と抱負を語った。
◆新市庁舎建設に意欲
3選を果たした石井氏は、新市庁舎建設を初めて公式に表明した。
選挙演説で石井氏は老朽化した旧町村役場を廃止する一方で「新しい庁舎の建設が必要」と訴えていた。当選後、「以前は市庁舎建設は考えていなかったが、現在の市庁舎は築35年を過ぎ、いずれ問題になる。合併特例債の猶予も延びた」と理由を挙げ、建設場所も含めて検討を始めることを明らかにした。