2021年1月13日 05:00 | 有料記事
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舟よし食堂の扉を開けると、入り口のカウベルがちりんと音を立てた。
「いらっしゃい」
カウンターの奥から顔を出した良夫は、中の様子を伺うようにそっと入ってきたひかりを見て、
「ああ、あんたか」
と声を緩ませた。
「なんだ、戻ってきたのか。そのまま帰ってもいいって言ってたのに」
良夫は前掛けで手を拭きながらカウンターから出てきて、
・・・
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