泊原発再稼働に期待と懸念の声 北海道知事、賛否明言せず

 原子力規制委員会が北海道電力泊原発3号機(北海道泊村)の安全対策が新規制基準に適合しているとの判断を示した30日、地元住民からは再稼働の経済的な恩恵への期待と同時に、今後について同社の説明が不十分だと懸念する声も上がった。再稼働には地元同意が必要となるが、取材に応じた鈴木直道知事は賛否を明らかにしなかった。

 北海道電は、3号機再稼働後は電気料金を値下げすると強調している。泊村の30代女性は「子育て世代としてはありがたい」と理解を示し、別の50代女性は「大っぴらに賛成とは言えないが、恩恵があるので地元は静かに待っている」と打ち明けた。

 同社は敷地外に港を新設し、核燃料を荷揚げすることを検討中。陸路で核燃料を運ぶことになり、原発近くに住む70代女性は「核燃料が実際にどこを通るのか、説明がない」と不信感を示した。

 「脱原発をめざす北電株主の会」のマシオン恵美香代表(62)=釧路市=は「原発は事業として採算性も低い。拙速な再稼働の負担や事故のリスクを道民に負わせるのは、公共事業者としての使命に反する」と訴えた。


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