PFAS排出元把握、わずか4例 環境省「原因分からず」

 環境省が2023年度に実施した水質調査では、全国の地下水や河川で暫定指針値を超える有機フッ素化合物(PFAS)が検出されたが、自治体が「排出元を特定できた」としているのはわずか4例だ。泡消火剤を使用していた米軍基地などが疑われているが、同省は「詳しい原因は分からない」と説明している。

 4例のうち、福島県会津若松市では工場排水からPFASが検出された。静岡市や京都府綾部市では、汚染地域の周辺にPFASを扱っていた事業所があった。岡山県吉備中央町では、PFAS除去に使った使用済み活性炭が山中に放置され、地下水を汚染したことが分かっている。

 22年度の調査で、排出元が工場と特定された大阪府摂津市と大分市も含め、環境省が把握しているのは6例だけだ。東京都立川市、広島県東広島市、沖縄県宜野湾市など米軍施設周辺でも高い数値が出ているが、汚染源は特定されていないという。

 水に溶けやすいPFASは、土壌に浸透し、地下水を通じて拡散するため、排出元と汚染地域が異なるケースも多い。


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