埼玉南東部の地層立体的に 産総研、八潮は軟弱な地盤

オンラインで記者会見する産総研研究グループの中沢努さん(産総研提供)

 産業技術総合研究所(産総研)は24日、埼玉県南東部の地質構造を3次元で可視化する地質地盤図を公開した。1月に県道が陥没しトラックが転落した事故が起きた同県八潮市付近は泥層が目立つ中川低地にあり、深さ約30メートルまで極めて軟弱な地盤だと明らかになった。

 産総研は、県環境科学国際センターと共同で1万地点以上のボーリング調査データを解析した。

 その結果、荒川低地は泥層を主体としながら砂層をやや多く含む傾向があり、地盤強度が緩い地点が目立つことが判明。台地は地盤が安定しているとされるが、荒川低地と中川低地に挟まれた大宮台地に軟弱層を含むことが分かった。

 研究グループの中沢努さんは、大宮台地には固い層の下に軟らかい層があり「大きな建物を造る際は注視する必要がある」と話した。

 地質地盤図は、地質の固さや構成する岩石の種類を色分けし、軟弱な地層の分布を分かりやすく紹介しており、ハザードマップ作成や都市計画に活用できる。ホームページで公開しており、無料で利用可能だという。


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