2025年4月23日 20:27 | 無料公開
政府は23日、発電利用を目指し研究開発が進む核融合炉について、立地選定手続きの策定へ議論を始める方針を示した。実用化に向けた国家戦略の改定案に盛り込み、この日の有識者会議で了承された。近く正式決定する。改定案では「2030年代の発電実証」との目標を掲げ、開発支援と制度の整備を急ぐ。
核融合炉を巡っては、国主導の「原型炉」で発電が可能だと示す計画があるほか、複数の民間企業も30年代の発電実現を目指している。ただ建設する場所を決める手続きは定まっていない。政府は近く作業部会を設置し、国が選定に関与する度合いや地元自治体との協議など要件を整理する。
また、核融合発電を実施する機関や企業に求める体制やコスト面の課題なども議論する。
改定案では、現行戦略で「50年ごろ」としていた発電実証の時期を「30年代」に早めた。原型炉開発に向けた準備の加速や海外との連携強化、安全性確保の取り組みも盛り込んだ。
核融合は太陽内部で起きている反応で、軽い原子核同士が合体して重い原子核になる際にエネルギーを放つ。