海洋汚染プラ代替に植物由来素材 紙コップやストロー、透明化成功

透明な板紙で作ったコップ(海洋研究開発機構提供)

 海洋研究開発機構などのチームは10日、紙パックなどに使われる植物由来の素材「板紙」を透明にすることに成功したと発表した。液体に強くしなやかで、コップやストローなどさまざまな形に加工できる。微生物により分解されるため、海洋汚染の原因となるプラスチック容器包装の代替品になると期待している。

 板紙は主に植物の光合成で生まれる「セルロース」で作られ、白色をしている。透明で中身が見えた方が食品の購買意欲を抱かせられるという研究調査があるものの、透明にするには固めるための薬品の性質でセロハンのように薄くなり、容器にするのは難しかった。

 チームは「臭化リチウム水溶液」に着目。溶液で熱してセルロースを溶かし、固めた上で洗って乾燥させた。包装材として通常用いられる0・3〜0・7ミリ程度の厚みでは、100メートル後ろの物が透けて見えるほどの透明度を達成した。

 ぬれても通常の板紙より強く、液体を入れられ、洗って繰り返し使える。セルロースを使った古紙から製造することも可能という。


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