農業のかたわら創作 詩や童話、高野さん作品展 13日に自作紙芝居上演も 匝瑳

 農業のかたわら創作童話や詩を発表してきた香取市の高野つるさん(88)の作品資料を集め、活動を振り返る「語りべ・高野つる展~伝えたい、民話・創作童話の世界~」が、匝瑳市の松山庭園美術館で開催されている。13日午後2時からは自作紙芝居を使った高野さんの「語りを聴く会」を開く。展示は11月10日まで。

 もんぺに忍ばせた紙切れに農作業中に心に浮かんだ言葉や物語を書き留めてきた高野さんは、40歳を過ぎてから加わった児童文学グループで本格的に創作活動を始めた。同人誌「小さな窓」で作品を発表すると、地元に伝わる民話や実体験を基にした創作童話が雑誌や教育関係書などに次々と掲載され、農業新聞でエッセーを連載するなど独創的な文体が高い評価を受けた。

 代表作の詩集「足(あしょ)んこ歌」や自伝小説「利根の見える丘」、民話や童話の共著本を出版。創作童話を紙芝居にして小学校で披露することも。旧山田町の町史編さんにも携わった。

 90歳近い今も創作意欲は衰えない。柳田国男らの本を読むなどして、民俗学や民話の世界から新たな発見をしようとしている。「エッセー集や民話、創作童話集。また自分の本を出せればねぇ」。しっかりとした張りのある声で話す。

 金~日曜日と祝日のみ開館。午前10時~午後5時。大人800円、小中学生400円。13日の語りを聴く会は別途500円。電話0479(79)0091。


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