2023年12月13日 05:00 | 有料記事

「健康維持に努め。新薬承認を待っている」と語る青木さん。声が裏返ることが増え、のどを押さえて話すことも=5日、市川市
「現状では来年2月以降、新薬投与の見通しが立たない。そうなると、投与を諦めざるを得ない」。今月5日、青木渉さん(35)の悲痛なつぶやきを市川市内の自宅で聞き、どう言葉をかけたらいいか分からなかった。
全身の筋肉が徐々に動かせなくなる難病ALS(筋萎縮性側索硬化症)患者の青木さんは3カ月前、希望の中にいた。未承認の新薬を米国から自費で輸入し、投与を受けられたからだ。これまで定期的に、新薬を4回投与。だが期待した国内承認は実現せず、多額の費用がかかっている。今後の投与が可能か見通しは不透明で、不安と苦悩の中にいる。
都内の飲食店店長だった2021年10月ごろ、足 ・・・
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