

JR茂原駅前の商業ビル内にある茂原市立図書館について、茂原市教委が同市高師の商業施設「茂原ショッピングプラザアスモ」への移転入居を検討していることが30日、分かった。市教委は、賃料の削減や駐車場増などの利便性向上、施設内容の充実につながるとみており、2025年春ごろの移転オープンを見込んで協議を進めている。
市教委生涯学習課によると、同図書館はもともと自前の建物が一宮川近くの同市八千代にあったが、1996年と2013年の水害で浸水。老朽化も進んだため、14年7月に同駅前の商業ビル6階に移転した。
交差点を挟んだ反対側に駅南口公共駐車場(250台)があり、市内在住・在勤・在学の来館者は最大90分まで無料で利用できる。市は、本年度予算に年間の賃料と駐車場費用として計4108万円を計上している。
アスモへの移転は、同施設の運営事業者が昨年4月に市へ提案。2階の催事場などの使用を想定している。同駅前から北西に約1・7キロの市街地にあるアスモは駐車場が650台あり、無料で利用可能。試算では、賃料は今よりも年数百万円減るという。
今の図書館の場所では「駐車台数が少ない」という利用者の声がある上、水害で緊急避難的に移転したため、読書スペースや読み聞かせ部屋などの施設環境が十分に整っていない課題もあった。
市教委は、移転による刷新でこれらの課題が解消できるほか、駐車場の利便性向上とアスモのセンターコート・劇場を活用したイベントとの連動で来館者は増えると見込んでいる。
市教委は、10月にアスモ運営事業者と覚書を締結する予定で、来年3月にも移転費などを計上した予算案を市議会に提案したい考え。新図書館の具体的な施設内容を示す基本計画は、アスモ側が市教委などの意見を踏まえて策定する方針。同課は「多世代が来館し、喜ばれる図書館にしたい」と説明した。
同市立図書館の蔵書数は昨年度末時点で約13万4千冊。昨年度は約9万1千人が来館した。