330年の歴史 地域と歩む 外国人客向けツアーも提案 酒造「鍋店」(成田市)【房総老舗巡り 千葉県誕生150年】(12)

長年にわたって酒造りが続いてきた神崎蔵を紹介する鍋店の大塚社長=神崎町
長年にわたって酒造りが続いてきた神崎蔵を紹介する鍋店の大塚社長=神崎町
昭和13(1938)年のにぎわう成田山参道。仲町の坂を下った新勝寺の入り口付近で、この辺りに鍋店の成田蔵もあった(成田市提供)
昭和13(1938)年のにぎわう成田山参道。仲町の坂を下った新勝寺の入り口付近で、この辺りに鍋店の成田蔵もあった(成田市提供)

 成田の地に創業し、330年以上にわたって酒を造っている。蔵は神崎町にあるものの、酒造としての発展に成田山新勝寺や歌舞伎の市川宗家との関係は切り離せない。今は成田空港に近い地の利を生かし、外国人観光客ツアーを提案している。

 江戸時代の元禄2(1689)年に佐倉藩より酒造株1050石(1石=約180リットル)を与えられ、成田山門前で酒造りを始めた。当時の銘柄は「蓬莱山」。門前宿に泊まる参拝者に提供された。

 約100年後、念願の千石の製造を達成した。大塚完・現社長(67)は「昔ではかなり多い量だった」と語る。背景にあったのは成田詣のブームだ ・・・

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