2022年1月13日 19:01 | 有料記事
それから二週間ほどが経った。何やらアパートの一階が工事中となっている。僕は、「一体何なのだろうか?」と、気になっていた。すると、ちょうどその朝、大学の講義に行こうとして一階の工事現場の前を通ると、おばーがそこに立っていて、僕に声をかけてきた。
「あれ、島さん、学校に行くかね?」
「はい。行ってきまーす。ところでおばー、一階はなんで工事しているの?」と尋ねると、
「ここにね、お店造るわけさ。名前は『おばー商店』にでもするかね」
大きな声で笑いながらおばーは答え返してきた。僕たちはのぶ子ちゃんの件で、何となくおばーと話をするのが気まずくなっていたのだが、おばーはいつも通りのおばーでいてくれていた。僕はそのおばーの笑い声に気持ちが落ち着いた。僕の背後でウージも風に吹かれてざわざわ、ざわわと喜んでいた。
お店はそれから一か ・・・
【残り 3316文字、写真 1 枚】