【未明の砦】(142) 太田愛・作 藤岡詩織・画

◆第二章 追う者たち(四十三)

 北陸新幹線の自由席は、平日の十時台という半端な時間もあって、薮下が思っていたよりもずっと空いていた。
 
 パラパラと座って窓外を眺めている乗客は、老若 ・・・

【残り 799文字、写真 1 枚】



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