津田沼駅南口の再開発、一時中断 閉館のモリシア再開も検討 野村不動産「社会情勢見通せない」

JR津田沼駅南口付近=2023年
JR津田沼駅南口付近=2023年

 習志野市は22日、JR津田沼駅南口の再開発事業について、施行予定者の野村不動産から「建築費の動向を含めた社会情勢が見通せない」として同事業を延期(一時中断)するとの文書を受け取ったと発表した。同社は文書で同事業を取りやめる意思はないとする一方で中断の長期化を考え、今年3月末に閉館した複合商業施設「モリシア津田沼」について部分的な再開を含めてさまざまな検討を行うと明らかにした。

 同事業を巡っては、今年1月、同社から建築費の高騰で工事施工業者が決まらないため、2031年完成とした事業スケジュールの見直しについて協議の申し入れがあった。その後、同社と市で定期的に協議をしてきたが、21日、同社員が同事業を一時中断するとの文書を提出した。

 文書は同事業の再開時期を「見通しが立った際に」とのみ記しており、中断時期が長期化することも考えられると言及。モリシア津田沼の取り扱いについて、老朽化している電気や給排水・空調配管など設備の点検に既に着手しており、結果を踏まえ「本年度中をめどに判断したい」とした。

 同事業では、市の文化ホールも建て替えられることになっている。新施設の見通しが立たなくなり、市は現施設の老朽化の状態を把握してから、現施設の利用再開も含め今後の対応を検討する。

 宮本泰介市長は「非常に残念で困惑している。商業施設再開の具体策を早期に示していただくことを強く求めた。引き続き市民への影響が最小限になるよう協議に臨んでいく」とのコメントを出した。


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