亡き職人の思い次代へ 観光施設の4人“継承者”に 郷土玩具「佐原張子」(香取) 【昭和100年 時超え令和へ 千葉の物語】(8)

佐原張子職人の鎌田さんの思いを継ぎ、活動していく佐原町並み交流館のメンバー=香取市
佐原張子職人の鎌田さんの思いを継ぎ、活動していく佐原町並み交流館のメンバー=香取市
だるまの絵付け体験で指導をするメンバーら
だるまの絵付け体験で指導をするメンバーら

 香取市が誇る伝統工芸品「佐原張子(はりこ)」。素朴な味わいのある表情とたたずまいがファンの心をつかんでいる。唯一の職人だった鎌田芳朗さんが2021年に86歳で亡くなった後、作り手がいない状況が続いていたが、有志団体「佐原張子保存会」は今月19日に開く総会で、市内の観光案内施設で働く4人を“継承者”として正式に認定する。令和の時代に、佐原の郷土玩具職人の思いが次世代へと受け継がれる。

 佐原張子は明治末期に鎌田さんの祖父が考案。一つ一つ手作りで、粘土の型に和紙を重ねて形を整え、ニカワと貝殻の粉を混ぜた液体を塗り、乾燥させた後に色付けして仕上げる。

 鎌田さんは1935年(昭和10) ・・・

【残り 9208文字】



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