万葉の「秘めた恋」今に 伝説と史実の狭間で、浸透模索 真間の手児奈と継橋(市川) 【ふさの国探宝】

 5月24日に市川市の親善大使に就任したシンガーソングライターのさだまさしさんは、将来「真間の手児奈(てこな)と継橋(つぎはし)」を描いた歌を発表するかもしれない。万葉集に登場する「伝説の美女」と「密かな恋の通り路」は市川の歴史の豊かさを物語る。約1300年前に、真間一帯を舞台に詠まれた「二つの伝説」の周辺を歩いてみた。

 JR市川駅北口ロータリーからすぐの真間地区は、いにしえからの歴史遺産の地だ。とりわけ存在感が際立つのは「日本最古の歌集」万葉集でうたわれた伝説の美女「真間の手児奈」。いかにも万葉の歌らしい「秘めた恋」の通い路として詠まれた「継橋(つぎはし)」のモニュメントもあり、強い印象を残す。だが長く愛されてきたこれら「市川のシンボル」も、時代の変化と、伝説と史実の狭間にさらされてもいる。

 真間の大門通り。日蓮宗・弘法寺までの参道沿いに喫茶「話飲茶屋つぎはし」はある。現在、手児奈を「安産の神様」と奉る手児奈霊神堂はすぐそ ・・・

【残り 1273文字、写真 3 枚】



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