防災中心に最後の訴え 長生村長選あす投開票

 任期満了に伴う長生村長選は17日投票が行われ、即日開票される。立候補しているのは、いずれも無所属で、元村議の小高陽一候補(59)=自民推薦=、現職で3期目を目指す石井俊雄候補(61)、経営コンサルタントの山崎裕司候補(59)。各候補とも津波を想定した災害対策を中心に住みよい村づくりを訴えるなど、最後の追い込みに躍起となっている。

 小高候補は、災害対策として海岸線に接する一松地区に「緊急避難が可能なタワーの建設」と「早急な自主防災組織の立ち上げ」を強く訴える。さらに、高齢化が進む中で「老老介護問題の解消」、旧長生高等技術専門校跡地(金田、約4ヘクタール)に「第3次救急救命医療を整えた総合病院の誘致」のほか、都内にアンテナショップの設置、村長給与の3割カットも掲げ、支持を求める。

 石井候補は「合併はしないで、災害に強い日本一の村づくり」を目指す。加えて「平和憲法を大切にし、脱原発の社会を全国に広めていきたい」と票の掘り起こしに力を入れる。また少子化問題について、高校生の医療費と第3子保育料の「完全無料化」の実施。災害対策では、自主防災組織の推進や避難道路の整備、避難タワーの建設を目指し、官民協働の開かれた村づくりを強調する。

 山崎候補は「一松地区を中心に村内10カ所に築山を建設するほか、白子町、一宮町と共同で高さ10メートルの防潮林建設を目指す」と、防災対策を柱に支持を訴える。また、農産品の「長生き」ブランド戦略を推進し、千葉や東京に「長生き村朝取れセンター」を開設。「長生き村100人委員会」を設置し、村民が主人公の村づくりにも挑戦する。村長給与の3割カットと退職金辞退も掲げる。


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