2021年1月20日 05:00 | 有料記事
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次の日、多喜子は早朝の小舟駅で、ひかりを舟よし食堂のライトバンに乗せて、市場に仕入れに行った。
「あれ、多喜ちゃん!? どうしたの、良夫さんは?」
どこでもそう尋ねられたが、
「それがねぇ、ぎっくり腰やっちゃったのよ。ううん、大したことないから心配ない。ねえ、今日はどんなの入ってます?」
多喜子はブランクを忘れて、馴染みの店を巡っていく。市場の中は騒がしく、足元 ・・・
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