パズル認証が障壁に 視覚障害で特急切符買えず 東武鉄道「不正利用防止への理解を」 識者「バリアフリー対応は責務」【ちば特 千葉日報特報部】

スマホで東武鉄道のログイン画面を見せる石川さん。パズル認証が必須で、視覚障害者には操作が困難という=船橋市
スマホで東武鉄道のログイン画面を見せる石川さん。パズル認証が必須で、視覚障害者には操作が困難という=船橋市
「特急券チケットレスサービス」の認証画面。パズルの画像は音声読み上げソフトで対応できない
「特急券チケットレスサービス」の認証画面。パズルの画像は音声読み上げソフトで対応できない
東武鉄道の新型特急「スペーシアX」(東武鉄道特設サイトより)
東武鉄道の新型特急「スペーシアX」(東武鉄道特設サイトより)

 「ネットで東武鉄道の特急券を買いたくても、視覚障害のためパズル認証の操作ができず、サービスを利用できない」。船橋市に住む読者の男性からこんな困惑の声が寄せられた。取材を進めると、千葉県内に特急の路線を持つ鉄道のうち、東武鉄道のみがチケットレス特急券の購入時にパズル認証を必須とするシステムを採用し続けていた。同社は「不正利用防止のためには必要」と理解を求める。一方、デジタル化によって生じた新たな障壁について、識者は「公共交通機関はバリアフリーへの感度を高め、対応する責務がある」と指摘した。

(「ちば特」取材班 島津太彦)

 点字校正員の石川龍海さん(34)は生まれつき目が不自由で、見ることは全くできないが、音声読み上げソフトを利用してスマートフォンやパソコンを使いこなしている。根っからの鉄道マニアで、本人いわく「乗り鉄、録(と)り鉄、時刻表鉄」。チケットレス特急券などを購入し、全国を旅している。

 多くの鉄道会社ではIDとパスワードなどを入力すれば「ほぼ一般の人と同じように利用できる」とし、会社によっては画像認証がある場合でも個別に問い合わせれば1年間にわたって認証不要となるサービスもある。そのような中で「東武ネット会員サービスだけは事情が違う」と主張。一部が切り取られた画像にピースをはめ込む作業が必要なパズル認証 ・・・

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