2025年3月10日 16:50 | 無料公開
スイス・ジュネーブで記者会見するWHOのテドロス事務局長=2020年3月(新華社=共同)
【ジュネーブ共同】世界保健機関(WHO)が新型コロナウイルス感染症を「パンデミック(世界的大流行)」と初めて表現してから11日で5年。世界で数千万人が死亡した戦前の「スペイン風邪」以来ともされる感染症の猛威を経験し、各国は「次」に備えて強固な予防体制の確立を目指すが、交渉は難航中だ。
「今年こそ、パンデミックに対し、より安全な世界にできる」。WHOのテドロス事務局長は2月、感染症に関する新たな国際ルール「パンデミック条約」の交渉会合で強調した。加盟国は4月に開く会合で意見をすり合わせ、5月の総会で合意を目指す。
背景には新型コロナ禍の苦い記憶がある。テドロス氏が2020年3月11日、インフルエンザのみに使う取り決めだった「パンデミック」の用語で危機的状況を表現し、対応への協力を訴えた。
それでも世界中で混乱はやまず、死者も700万人を超えた。甚大な被害を繰り返さないため、国際社会は病原体情報の迅速な共有や途上国の対応力強化などを保証するルール作りが必要との考えで一致した。








