2012年10月4日 17:35 | 無料公開

太安万侶の墓誌を3次元計測したCG画像。赤く色付けされているものが新たに見つかった文字(奈良県立橿原考古学研究所付属博物館提供)
古事記の編者・太安万侶の火葬墓(奈良市)で1979年に見つかった銅製の墓誌(重要文化財)に、たがねで刻まれた銘文と筆跡がそっくりな文字が筆でも書かれていたことが分かり、奈良県立橿原考古学研究所が4日、発表した。今年で古事記編さん1300年になるのに合わせ再調査していた。
墓誌は16件しか現存しないが、銘文横に筆の文字が見つかったのは初めて。同研究所は「墓誌を作る背景や過程を探る貴重な手掛かりになる」としている。
書かれた目的は不明で、研究者間でも「試し書き」「墓地購入の証文」などと意見が分かれており、全ての墓誌を再調査する必要性も出てきそうだ。