2021年9月20日 05:00 | 有料記事

万引防止の警告文を紹介する飯田さん=旭市のフレッシュイイダ

万引防止のため新たに設置したレジ

万引犯が店外に持ち出した商品。ハマグリなど高級食材も多い
レジ袋の有料化が始まった昨夏以降、「万引被害が大幅に増加し、経営を圧迫している」というスーパーマーケットの悲痛な訴えが双方向型調査企画「ちば特(千葉日報特報部)」に寄せられた。同店によると、被害は年間にして数百万円、手口も悪質、巧妙化しているという。今回の「ちば特」は、環境保全に重要な役割を果たすレジ袋有料化の裏で、小売業者に降りかかった想定外の事態について取り上げる。
(「ちば特」取材班 田村 理)
環境保全に向けたレジ袋の有料化は昨年7月1日に始まった。微生物によって海で分解される袋や、バイオマス素材が一定割合で配合されている袋などは対象外。小売業者に対して全国一律で義務化され、価格は各事業者が設定している。
万引が増えたと明かすのは、旭市のスーパーマーケット「フレッシュイイダ」。専務の飯田清さん(43)は「体感として、万引件数は3~4倍くらい増えた」と肩を落とす。
◆高級食材も標的に
同店では義務化とともにレジ袋の有料化を開始。マイバスケットやマイバッグの持参が広がった一方、バッグやバスケットに商品を入れたまま店外に出るという大胆な手口で大量の商品を盗み出す万引が拡大。
今春には、ブラックタイガーやハマグリをはじめとする高級食材など計1万数千円相当の商品を店外に持ち出した男の行為が発覚。店員が声を掛けたところ「友人を呼んで来る」と言い残し、逃走してしまったという。
◆裏手にレジ新設
店側 ・・・
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