2014年2月12日 10:34 | 無料公開
睦沢町小滝の会社役員、田中秀和さん(61)が自宅に侵入してきた男に殺害された事件は、12日で発生から10日目を迎える。現場周辺で男のものとみられる血痕が多数見つかり、男は田中さん襲撃時にけがをしたとみられるが、男の特定にはいたっていない。千葉県警捜査1課と茂原署の捜査本部は盗み目的とトラブルによる犯行の両面で詳しい捜査を進めている。
田中さんは3日午前3時20分ごろ、妻(51)と就寝中、侵入してきた男に胸や腹を刺されるなどして死亡した。傷の形状から凶器は包丁とみられる。妻は近くにあった木刀で男をたたき抵抗したが、男は凶器を持ったまま逃走した。
捜査本部によると、田中さん方裏手から南西方向の竹やぶに向かって路上などに点々と血痕が残っていた。直線で約100メートル離れた竹やぶの竹には血の付いた手で握ったような跡があった。男は田中さんともみ合った際か、妻から抵抗を受けた際に手か頭にけがを負い出血したらしい。
男はなぜ田中さんを襲ったのか-。室内に明確な物色の跡はなく、盗まれたものもない模様だ。一方、これまでに田中さんの周辺に目立ったトラブルの話も確認できていないという。捜査本部は負傷した不審な男についての情報提供を医療機関や薬局に要請。周辺の聞き込みなども続け、男の特定を急いでる。
小学校で集団下校を行うなど、事件は同町の住民らに大きな衝撃を与えた。小学校3年生の孫がいる団体職員男性(60)は「この穏やかな住宅街を犯人が通ったと思うとゾッとする。毎日が不安なので早く捕まってほしい」と早期解決を願った。