発達した低気圧の影響で大雪に見舞われた千葉県内では8日、船橋市や松戸市などで雪による転倒や交通事故が相次ぎ、計15人が重軽傷を負った。鉄道や高速道路などの交通網も混乱し、夜遅くまで降り続いた雪が県民の帰宅の足を直撃。気象庁は、県内で9日明け方まで雪や雨が降る可能性があるとして、引き続き路面凍結などに注意を呼び掛けている。
大雪による県内の被害状況について、県危機管理課が午後5時現在でまとめた集計によると、歩行者の転倒や車のスリップなどの交通事故で1人が重傷、14人が軽いけがを負った。
船橋市湊町の女性(75)が雪で足を滑らせ右足の骨を折る重傷を負ったほか、同市内の男性(66)も転倒で軽いけが。また、松戸市では松戸駅東口で転んだ女性(61)ら2人が軽傷を負ったほか、柏、市川、習志野市と栄町でもそれぞれ1人が転倒でけがした。
一方、印西市松崎の市道では、坂道を走っていた男性(27)の乗用車が雪でブレーキがきかず停車中の車や信号機に衝突。男性は胸を打って病院に運ばれた。松戸市稔台ではスリップした乗用車にはねられた男性(35)が左足に軽傷を負ったほか、野田市で2人、君津、船橋市と睦沢町でも各1人がスリップによる事故で軽いけがを負った。
県警交通総務課によると、午後2時現在、けが人が出なかった物損事故は県内全域で43件に上った。
交通網も混乱した。JR千葉支社が午後5時までにまとめた集計によると、京葉線や外房線、内房線などで一部運休となったほか、総武本線・成田線特急「成田エクスプレス」は上下8本が運休。久留里線では雪の重みで沿線の竹が倒れかかり、久留里-上総亀山駅間で運転を見合わせた。
東日本高速道路関東支社によると、積雪の影響で首都圏中央連絡自動車道(内外)と東京湾アクアライン連絡道(上下)など、強風の影響で東京湾アクアライン(同)の一部がそれぞれ通行止めになった。
降りしきる雪の中、街では足元を気にしながら歩く人や、除雪作業をする人の姿も。千葉市中央区のアルバイト先店舗前で雪かきをしていた私立高校2年の女子生徒(17)=同市美浜区=は「久しぶりの大雪で驚いた。自転車で来たので帰りが心配」と話した。