チューリップ 今年が最後 「子どもたちの思い出に」 20日にまつり 千葉市緑区越智地区・野馬の里

 千葉市緑区越智地区の休耕田を活用したチューリップ畑「ふれあい広場『野馬の里』」でチューリップが見ごろを迎えている。ボランティアが運営してきた広場では毎春、チューリップまつりが開かれてきたが、高齢化に伴う担い手不足などにより、20日のまつりを最後に、広場の運営を終了する。野馬の里委員会会長の白井通雄さん(54)は「今回で最後となってしまうが、多くの人に楽しんでもらいたい」と、来場を呼びかけた。

 チューリップ畑は、植物を通じて子どもたちを元気に育てたいという思いから10年前、休耕田を活用して始めた。地域住民のボランティアが運営しており、毎年、大木戸小学校、越智小学校の児童が越智中学校の生徒から指導を受けながら球根を植えてきた。鏡戸幼稚園の園児や越智地区の9町内自治会も植え付けに参加。今年は約4万1千本のチューリップを育てている。

 「野馬の里」という名称は開始当初、越智中の生徒が考えた。かつて馬が放牧されていたという越智の歴史にちなんで名付けた。

 当初は市が費用を負担。5年ほど前からは補助金を受けながら、イベント収入などで経費を賄ってきた。手弁当のボランティア活動だが、新たな担い手を確保することが難しく、メンバーの高齢化が進んで運営が難しくなってきた。補助金も打ち切られることになり、継続が困難と判断した。

 「ここに育ち、チューリップを植えた多くの子どもたちの思い出になってくれたら」と白井さん。事務局長の日野達弥さん(55)は「上級生が下級生をサポートしながら一生懸命植える姿は、実にほほえましい。コミュニティー作りのきっかけとして、今後につながれば」と話した。

 まつりは20日午前10時~午後2時半。吹奏楽や和太鼓の演奏、ビッグバンドのジャズなどが披露される。午後2時半からはチューリップの花摘み(袋持参、本数制限あり)。駐車場に限りがあるため、当日はJR土気駅北口から無料シャトルバスを運行。土気駅を午前9時から同11時半まで、30分間隔で発車する。雨天中止。


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