2014年4月9日 12:09 | 無料公開
放射線の影響を心配せずに外で思いっきり遊んでもらおうと、原発事故後の福島の子どもたちを南房総の市民団体が招いている。今年で4回目。春らんまんの南房の海や山に子どもたちの元気な笑い声が響いた。
福島県の市民団体と連携して3月24~28日に子どもたち13人を招待したのは、南房総に移住した高齢者らを中心にまちづくり活動を展開する「南房総いきいきクラブ」(坂口実代表)。子どもたちは、同市和田町上三原の自然の宿「くすの木」に宿泊し、富浦漁港で釣りをしたり、野山で忍者ごっこを楽しんだ。
釣り糸を垂らすと、4~5分に一度は5センチほどのヒイラギがかかる。「また釣れた」と楽しげな子どもたち。針が海底に引っ掛かり「地球が釣れた」と大はしゃぎの武田陽奈さん(12)と村上聖菜さん(11)は南房総の海風に「暖かくて超気持ちいい」と屈託ない。「福島でも普通に遊んでいるけど、(線量が)高いところはダメ」と原発事故が身近な問題であることを教えてくれた。
住民有志による「結の会南房総」(川原孝代表)が福島から招いた22人の子どもたちは3月29日~4月2日、「くすの木」を拠点に南房総体験。地元小学生と交流会を開いたり、同市千倉町の「おんだら山」で、ターザンごっこや竹で作った弓で矢を飛ばすなどして遊んだ。
福島市から参加したリピーターの粟村弥生さん(43)は「福島に帰っても子どもとキャンプの話で盛り上がる」。長男の慶正君(8)も「弓矢遊びが楽しかった。焼いた棒パンもバターをつけておいしかった」と親子で楽しい思い出をつくって福島に帰った。