辛さ甘み融合の勝タン オーブンで煮込むスープ ラグタイム(勝浦市)【房総ラーメン図鑑】(3)

ジャズが流れ、バーカウンターがある落ち着いた雰囲気の店内で勝浦タンタンメンが食べられる「ラグタイム」=勝浦市部原
ジャズが流れ、バーカウンターがある落ち着いた雰囲気の店内で勝浦タンタンメンが食べられる「ラグタイム」=勝浦市部原
勝浦タンタンメンにワンタンを加えた「勝浦ワンタンタン」。白い丼に赤いピリ辛スープが映える
勝浦タンタンメンにワンタンを加えた「勝浦ワンタンタン」。白い丼に赤いピリ辛スープが映える

 国道128号沿いの店は小気味よいジャズが流れ、バーカウンターの向こうの棚には希少なシングルモルトのスコッチウイスキーがそろう。ペット同伴可のウッドデッキテラス席に出れば、目の前はサーファーたちでにぎわう部原の海。落ち着いた雰囲気が漂う「ダイニングバー RAGTIME(ラグタイム)」で海を眺めながら食べられるのが「勝浦タンタンメン(勝タン)」だ。

 海仕事を終えた漁師や海女が冷えた体を温めるために食べたラーメンが広まったとされる勝浦独自の担々麺。しょうゆをベースにラー油をふんだんに加えた赤色のピリ辛スープ、タマネギやひき肉などが入る。

 ご当地グルメでまちおこしに取り組む団体が集まるB-1グランプリの2015年大会で「熱血‼勝浦タンタンメン船団」が優勝し、一躍全国区に。勝タンを提供する店の店主らが集まって大会用レシピを考案し、数千食の仕込みをしたのがラグタイムの調理場だった。

 店主の水野司さん(63)は勝タン船団の副船団長。もともとは一般的なごま担々麺を出しており、B-1をきっかけに勝タンを始めた。差別化を図ろうと、ホテル仕様の大型オーブンで低温長時間、ラー油やタマネギ、ニンニクなどを煮込んでスープを作る。

 ラー油は自家製。ホワジ ・・・

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