

子育て世代を呼び込んで定住にもつなげるため、多古町が民間事業者グループとの官民連携で整備を進める「子育て支援住宅」の起工式が12日、同町多古の旧学校給食センター跡地で開かれた。町内に少ない3LDKの間取りの賃貸集合住宅を12戸分用意する。来年5月の完成、同7月の入居開始を予定。町が貸し主となり、家賃を決めていく。
町によると、子育て世代が希望する間取りや設備が整った賃貸住宅が少ないことが町内への移住・定住促進の大きな課題になっている。成田空港の機能強化に伴う空港関係の若い勤務者の住宅需要も見込まれることから、建設を決めた。
場所は、町役場から約400メートルの距離で、周辺には病院や郵便局、スーパーマーケットもある地域。成田空港第2ターミナルからは約10キロ。町は、子育て中の住民がまとまったエリアに暮らすことで、子どもたちを含めた交流や親同士の情報交換・相談がしやすい効果も期待する。
給食センター跡地を貸与された民間事業者が、軽量鉄骨造り2階建ての集合住宅を2棟建設。1階と2階がつながったメゾネットタイプの3LDKを1棟につき6戸ずつ用意する。広さは各戸約76~79平方メートル。完成後に町が借り上げ、子育て世代の町民らに貸し出す仕組みとなる。駐車場も敷地内に確保する予定。
起工式で、平山富子町長は「官民の連携をしっかり深めて取り組んでいく」と説明。事業者グループを代表して「丸三典礼」(同町)の山崎吉高社長は「若い世代を町に呼び込み、活性化につなげたい」と強調した。共同事業者は積水ハウスと東洋コミュニティ。
町によると、こうした官民連携方式による子育て世帯向けの賃貸住宅整備は珍しいという。