2023年8月24日 05:00 | 有料記事

住宅開発前の小金城跡の中心部分。後ろの耕作地にも今は住宅地が広がる=1962年撮影(松戸市立博物館提供)

大谷口歴史公園に残る「障子堀」。堀底の障壁には保存のため、土がかぶせられている=松戸市
松戸市北部の住宅街に、そこだけ時が止まったような静けさが漂う大谷口歴史公園。この場所にはかつて「小金領」本拠地として、東西800メートル、南北600メートルに及ぶ下総国有数の大規模城郭・小金城が威容を誇っていた。下総台地の西端近く、江戸川などによる湿地帯に囲まれた天然の要害に築かれた。同公園には全国的にも珍しい「畝堀」などの遺構が残されている。
「畝堀」は、かまぼこ形の高さ約90センチの畝を、堀底と直角方向に敷き詰めるように配した堀。併せて残る「障子堀」には、堀底に障子の枠のような間仕切りが仕込まれていた。いずれも、侵入してきた敵の動きを封じる巧妙なわなだ。
小金城の築城年代は明確でないが、15世紀後半には成立し、千葉氏の重臣、原氏が拠点とした後、原氏に ・・・
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