天然醸造変わらぬ味 価格競争せず品質重視貫く 醤油蔵元「宮醤油店」(富津市) 【房総老舗巡り 千葉県誕生150周年】(13)

国の登録有形文化財に指定されている宮醤油店の店舗や蔵=富津市
国の登録有形文化財に指定されている宮醤油店の店舗や蔵=富津市
宮醤油店の駐車場に置かれた巨大な木おけと宮敬一郎社長
宮醤油店の駐車場に置かれた巨大な木おけと宮敬一郎社長

 江戸時代、醤油(しょうゆ)の一大産地として成長した千葉県には、野田や銚子をはじめ多くの蔵元があった。しかし、時代の変遷とともに消え、今も自社で原料から仕込んで醸造しているのは13軒のみ。県南で唯一残り、天然醸造・無添加のこだわりの味を提供するのが宮醤油店だ。

 JR佐貫町駅からほど近い国道127号と県道との交差点。巨大な二つの木おけと重厚な外観の瓦ぶきの店舗や蔵が目に飛び込んでくる。土蔵造り2階建ての店蔵は江戸末期、隣の店舗は1892(明治25)年の建築。旧米蔵と東蔵、西蔵、主屋なども明治・大正期に建てられ、計9棟が国の登録有形文化財だ。

 先祖は伊勢出身。上総国佐貫藩1万6千石の城下町で醤油造りを始め ・・・

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