2023年5月6日 05:00 | 有料記事

明治時代の店舗の写真。右側の看板を今も保存している

大正時代の建物と看板で営業を続ける廣瀬直船堂。店内奥には明治時代の看板も=船橋市
船橋市繁華街の船橋駅前から船橋大神宮へと至る本町通り。都市化が進んでマンションやビルに囲まれた一角に歴史を感じる木造瓦ぶきの建物がたたずむ。広い間口の店先を昼下がりに訪れた女性客(77)は「食べやすいし、しょっぱくない。私はずっとこれよ」と満足そう。手に取ったのは、しょうゆ味で香ばしい薄焼きせんべい「関東焼」だ。
屋根に掲げた分厚い木製看板が目印の「廣瀬直船(ちょくせん)堂」は、おやつから手土産まで扱う和菓子店。関東焼は、地元の米菓製造所と組んで提供し、半世紀愛される看板商品で、1袋2枚が税込み70円。同市へのふるさと納税の返礼品にもなっている。
団子や季節の生菓子は手作りし、船橋特産の小松菜 ・・・
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