増成栗人選 【日報俳壇】

手付かずの母の遺品や蚊遣香 君津 泉水勝
 【評】母堂が亡くなってどれほどの月日が過ぎたのであろうか。未だ母の遺品がそのまま残る部屋。その部屋で焚く蚊遣香の香が、ふと母堂の面影を浮かび上がらせる。早く整理をと思う心とは裏腹の母許りの思いが美しく交錯する ・・・

【残り 1131文字】



  • Xでポストする
  • LINEで送る