中谷順子選 【日報詩壇】

木洩れ日 大網白里 滝沢ゆき子

見えない暗がりにいる蛇を
刺激しないように
下草を避けつつ
薄闇の森の向こうへ
いっせいに木々が風に揺れ
刹那光が遠くまで射す
窓のない壁や
予め飾られていた木戸を
誰にも悟られぬよう壊しな
がら ここまで来たものの
今 傍らに
父がいる
-その ・・・

【残り 1410文字】



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