増成栗人選 【日報俳壇】

春愁や借りたる本のうす埃 多古 鈴木裕
 【評】友人からか貸本屋からか借りきたる本にある薄埃。そこに作者は新刊書にはないぬくもりを覚えているのだ。幾人かの人が読んだ本。その頁を繰りながら、ふと軽い哀愁を覚える作者の心情が、十七音の中に ・・・

【残り 1052文字】



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