中谷順子選 【日報詩壇】

掃く 野田 高橋宗司

初冬の樹の枝から落下の葉
新たな葉の芽が押し出した
 乳歯が落ちる
一本の樹木から落ち重なる
無限の数の葉群れ
中には真っ赤な細長の実も
漢方薬になるのを棄て置く
うず高い葉っぱの山の形成
有無言わせずかき集めた葉
掃く
そこに 山茶花の花びら
掃き清められた庭に
先ほど ・・・

【残り 1482文字】



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