思い出の蓑 正岡子規(5)

 明治二十四年三月二十八日、長柄山から大多喜に至る山中で雨に逢った子規は蓑を求め、激雨の山路を辿っている。六年後、同二十九年に書かれた「松蘿玉液」で、当時を振り返り思い出を語っている。

 「…何とは ・・・

【残り 652文字】



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