2022年10月20日 05:00 | 有料記事

本社に隣接する京成バラ園では、自慢の庭園や温室を引き立てる体験演出も積極的に展開している=八千代市

バラ苗の品種ごとに特徴を分かりやすく表示して販売するガーデンセンター
名刺にも印刷された「世界中の人々にバラと夢と幸せを届けます」。1959年の創業時からうたう企業理念だ。その意義を再認識した出来事が新型コロナ緊急事態の荒波だった。
バラなどの生産販売現場は式典需要がストップ。1600品種1万株に及ぶバラの名所で、前身の「見本園」時代から半世紀運営する主要施設「京成バラ園」(八千代市)も2020年3~6月に休園を余儀なくされた。折しも春の見頃。手入れを続けたが「誰にも見てもらえぬまま散るとは…」と社員は振り返る。
しかし、再開後の来訪客の声に救われた。「きれいなバラで癒やされた」「久々に気持ちが楽に」。嗜好(しこう)品と見られがちな花々が身近な幸せを支え「世の中を明るくする」と実感した。来園者はコロナ禍前よりも約3割増。今年春は10万人を超え、過去10年間で最多となった。
ミスターローズと呼ばれた初代研究所長の故鈴木省三氏らが「戦後 ・・・
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