繊細な声の上品な小鳥 ウソ 成田篤彦 【房総の草木虫魚】 (380)

 若い頃の年の暮れ、房総丘陵の雑木林で、「ヒューヒュー」と口笛のような鳴き声が聞こえた。やぶの中にスズメ大の小鳥が見えた。ほほが桃色で、黒い頭、灰色の腹、腰は白く、ポチャリと太っている。「ウソの雄、珍しい」と思った。ヤマツツジの冬芽を一枚、一枚、皮をはがすようについばん ・・・

【残り 1207文字、写真 1 枚】



  • Xでポストする
  • LINEで送る