【未明の砦】(407) 太田愛・作 藤岡詩織・画

 ◆第四章 標的(十四)

 高層マンションのキッチンは、冬の早朝のほの白い光に包まれていた。

 日夏(ひなつ)は、週に二度来る家政婦が果物籠に補充したオレンジに機械的に手を伸ばした。自分でオレ ・・・

【残り 837文字、写真 1 枚】



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