【未明の砦】(394) 太田愛・作 藤岡詩織・画

 ◆第四章 標的(一)

 午前十一時。朝日荘二〇二号室の前で張り番をしていた若い制服巡査は、白髪交じりの薮下(やぶした)がいくぶん威圧的な態度で警察手帳を見せると、バネ仕掛けのように敬礼してドア ・・・

【残り 858文字、写真 1 枚】



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