【空色のポートレート】(2) 作・みずの瑞紀

画・森津和嘉子
画・森津和嘉子

 夏休みになり、二人は毎日のようにわくわくランドで待ちあわせ、川越駅周辺をぶらぶらしながら写真を撮るようになった。

 ある日、日菜が嬉しそうに咲彩を誘った。

「今日だけ特別に『わくわくホイール』に乗れるんだって! 乗ってみようよ!」

 子ども向け観覧車は二人だけを乗せ、音を立てながら動きだした。咲彩と日菜は銀色のポールを挟んで向かいあって座った。日菜は早速カメラを取りだし観覧車の中で微笑む咲彩の ・・・

【残り 1757文字】



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