【おばーのゲルニカ】(6)作・鳥光宏

画・芝章一
画・芝章一

 時が移り、二月も終わりに近づいた。温かくなってきたとはいいながら、沖縄の冬はどんよりとして雨の日が多く肌寒い。そんな憂鬱な雨の日をすっ飛ばしてくれるような出来事が舞い込んできた。

 その日は珍しく太陽が顔を出し、春の陽気になっていた。僕は大学からアパートに戻り、駐車場に車を停めていた。すると、嬉しそうに僕の車の方に歩いて来 ・・・

【残り 1453文字】



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