【おばーのゲルニカ】(3)作・鳥光宏

画・芝章一
画・芝章一

 さて、僕がこのアパートに入居してから二か月が経ち、ここの住人も随分増えた頃のことだった。その日、アパートの前のウージが妙にざわざわと囁き合っていた。嵐でも来るのかな? いやいや、空の青さも、海の青さも変わることなく輝いていたから、雨降りの前兆ではなさそうだった。

「おばーの家の庭でバーベキューするから皆きなさいねえ」

 数日前から、おばーがこのアパートの学生達に声 ・・・

【残り 1638文字】



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