【未明の砦】(163) 太田愛・作 藤岡詩織・画

◆第二章 追う者たち(六十四)

 朱鷺子は指先で目尻の涙を払って言った。

「ユシマはあったこともなかったことにできるのさ、昔っから。あたしが裁判官ならぺしゃんこにしてやるところだよ ・・・

【残り 797文字、写真 1 枚】



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