日焼した茅葺屋根 入道雲 絵・文 道塚元嘉 【民家の四季】

 真夏の白雲は碧空に生きていた。子供の時分は、やっぱり巨大な生きもののように見えて頼もしく、なぜか、うれしくなったのを覚えている。それは、人の手ではどうこしらえようもない美しい虚空模様にちがいなかった。激しい上昇気流によって生ずるこの積乱雲は、刻々と姿をかえて流れゆく。これが、むくむくと湧き上ってくるようにうま ・・・

【残り 1400文字、写真 1 枚】



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