【未明の砦】(96) 太田愛・作 藤岡詩織・画

◆第一章 発端の夏(八十一)

 受話器を受け取って矢上が呼びかけるまで、ほんのわずかなあいだだが男は黙っていた。その時に、遠くの方で微かに聞こえた音があった。
 ・・・

【残り 764文字、写真 1 枚】



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