【未明の砦】(85) 太田愛・作 藤岡詩織・画

◆第一章 発端の夏(七十)

「文庫のねえさんが来たんですか?」

 矢上は何気なく訊いたつもりだったが、玄羽の表情がわずかにこわばったような気がした。
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【残り 734文字、写真 1 枚】



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