【未明の砦】(74) 太田愛・作 藤岡詩織・画

◆第一章 発端の夏(五十九)

 そもそも生まれた時から矢上には家庭と呼べるような居場所はなかったし、他人の家庭に招かれたこともなかったから、家庭に憧れも嫌悪も抱きようがなかった。せいぜい自 ・・・

【残り 844文字、写真 1 枚】



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