【未明の砦】(29) 太田愛・作 藤岡詩織・画

◆第一章 発端の夏(十四)

 重く不安な夢の断片が、まだ汗のように体にまとわりついていた。
 
 覚えているのは、海岸の波打ち際を歩いていく巡礼のような大勢の人々の列だ。人々の向かう先に、巨大 ・・・

【残り 846文字、写真 1 枚】



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