【未明の砦】(27) 太田愛・作 藤岡詩織・画

◆第一章 発端の夏(十二)

 玄羽がどこでも好きな部屋を使えと言うので、矢上は裏庭に面した六畳の一室に自分用の寝具一式を運び込んだ。その部屋に特に心ひかれる何かがあったからではない。

【残り 852文字、写真 1 枚】



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